ラジオと生活(2)

ラジオを頼りにしていたのは浪人生のとき。
 
高校のテスト期間中だったと思うのだけど、ラジオを聴いていたら、たまたま『大学受験ラジオ講座』が始まった。略して「ラ講」。今みたいにネット配信だとか学習アプリも無かった時代。あ、この番組いいな、これなら予備校に行かずに勉強できると直感した。行きたい大学は私立で、うちは裕福ではなかったので、浪人中にお金がかかるのは嫌だった。ラ講なら、予備校同様に学習のペースメーカーになると思った。
 
そして始まった自宅浪人の1年。
 
心配する祖母には、離れて暮らしているのをいいことに「予備校に行ってる」と信じさせて、大学に受かるまで嘘をついた。実は予備校には通ってなかったと祖母に告白したとき、「そんなことかと思ったよー」と苦笑された。
 
あの頃、ラ講が無かったらどうしていたかな。ひたすら参考書と問題集で勉強したんだろうけれど。ちょっと想像できない。それほど私はラ講を信じていた。これをやっとけば大丈夫だって。そして、同じように勉強する同志の存在を、電波の向こうに感じながら受験勉強できたことも良かった。
 
自分がラジオを聴く人間で良かった、ラ講に会えたから。ラ講に感謝、ラジオにありがとう、である。