年賀状の終り

1月7日、年賀状がちらほら届く。私宛てではなかった。たぶん家族が出した葉書に返してくれたものだろう。

その中に1枚、いわゆる年賀状終いのものがあった。近況を伝える文のあとに、急な感じで「年賀状もうやめます」と書いてあった。文脈からするとホント急な展開だったので驚いた。

高齢の方々は、その終いかたにかなり気をつかい、「終うときの文例」みたいなものを参考にするらしい。そりゃそうだろう。おそらく数十年続けたやりとりを、自己都合で切断するわけだから。相手に失礼があっちゃいけない、相手が気を悪くしちゃいけない、相手が「大病でもなさったか」と誤解しないようにと、細部に神経をつかうらしい。

先の知人はまだ若いからか(と言っても同年代で中年)、やめる宣言文はラフだった。まるで「そうだ、京都行こう」と同じくらい軽やかな一文。そうだ、平成も終わるし年賀状やめよう。そんな印象を、私は受けた(もちろん、それは私の勝手な想像である)。

年賀状終いは高齢者特有の現象ではなかった。もしかしたら若年層のほうが「そうか、やめられるものなのか」とノッたかもしれない。

今では葉書だけではなくテキストメッセージも使える時代だし、考えてみたら、年賀状って事実上は一方通行のような気がする。年末になると決まって「まだ書いてない」声を聞く。「まだ」にその人が抱えるプレッシャーを感じる。

…かく言う私、いただいた年賀状に返事を書く、というやり方をここ数年続けている。この先もこのスタイルで。これなら(枚数が極めて少ないので)90歳になっても続けられると思う。そのうち出す枚数も減っていくだろう。その前に自分の寿命のほうが尽きるか。


(年賀状を否定する立場ではありません。あしからず…)